およそ2年前のスタンダードvol.47(2017年3-4月号)にて紹介した、花巻市出身の藤尾佳史さん。
遠く離れた韓国で、プロ野球チームのトレーナーとして、選手たちを影で支え続けてきました。
なお、その藤尾さんが、来年より新たなチャレンジのため日本に帰国するとのこと。
今回、特別に掲載許可をいただき、現地の記事をこちらにてご紹介いたします。
斗山・ハンファで活躍した藤尾氏が韓国発つ
"いつかもう一度会うことを"
斗山ベアーズとハンファイーグルズの選手たちの間で 「神の手」 と呼ばれていた藤尾佳史コーチ(以下、敬称略)が、韓国にお別れを告げることとなった。
2014年、斗山ベアーズ2軍コーチとして韓国プロ野球の舞台を踏んだ藤尾。 以降、リハビリ、トレーニングコーチを受け持ち、負傷した選手たちをサポートしてきた。中でも印象的なのが、今シーズン10勝3敗、平均自責点5.28で大活躍を見せた李栄夏(イ・ヨンハ)のリハビリだった。 2016年、1次指名で入団した李栄夏は、入団直後に肘を手術。しかし、以後2軍で藤尾と一緒に練習に励み、2017年に見事な復活を遂げた。李康哲(イ・ガンチョル)コーチ(現KTウィズ監督)も、彼の治療の実力に舌を巻くほどだったという。2018シーズン、韓容悳(ハン・ヨンドク)監督とともにハンファに移籍。韓監督の推薦もあり、ここでは1軍トレーナーに就任。主にブルペン投手たちの治療を担当し、コンディショニングも積極的にアシストした。その実力は見えないところで光った。今シーズン、藤尾が担当したハンファのブルペン陣の平均自責点は4.29は、リーグで最も低い数字。ハン監督との宋津宇(ソン・ジンウ)投手コーチの指導力はもちろんだが、肘の消耗を最小化して負担を減らした藤尾の功績も大きいだろう。
選手たちも彼の実力を認めている。 今シーズン69試合に出場し4勝2敗9ホールド、平均自責点2.10とブルペンの核として活躍した朴相垣(パク・サンウォン)、63試合に登板し4勝2敗12ホールド、平均自責点2.84として華やかに復活した李テヤン(イ・テヤン)は藤尾の治療を大絶賛。このほかにも、宋恩範(ソン・ウンボム)や野手の李性烈(イ・ソンヨル)、李容圭(イ・ヨンギュ)など体の管理に特に気を遣うベテランも、その恩恵にあずかった。
それゆえに、韓国で長くいたいという思いもあった。 しかし、日本への帰国は、本土が彼の実力を認めるという傍証でもある。 彼はインタビューで「韓国でより専門的な治療を担うトレーナーになりたい夢もある」と述べながらも、「日本で挑戦してみたい気持ちがもっと大きくて帰国を選択した」と説明している。
もちろん、お別れする足取りも軽くはない。 彼は「韓国の舞台を去るようになって残念な部分もある。選手たちの中でも惜しむ選手たちがいた。良い選手が多いだけに、思うほど役に立つことができず、残念な気持ち」と話した。その一方で、「ベテラン選手たちが移籍を祝うと話してくれて嬉しかった」と付け加えた。彼は今も日本の宮崎でハンファの選手とともに過ごし、治療に専念している。 ハンファのキャンプは11月25日に終了し、そのときが藤尾氏にとって韓国のチームでの最後の時間となる。藤尾氏は「いつか韓国に戻って再び選手らに会いたい」と話した。
2018.11.20/午前7:00
ジョイニュース24/キム・ドンヒョン記者
ちなみにこれは11月中に作成された記事のため、
すでに藤尾さんは韓国での仕事を終え、日本での新たなチャレンジに向けて歩みを進めています。
スポーツは選手を支える「裏方」がいるからこそ成り立つもの。
これからもスタンダードでは、“影”のヒーローとして奮闘を続ける藤尾さんに注目していきます!